缶コーヒーからハンドドリップへ：SE時代の私が見つけた人生を変える朝習慣

コーヒーライフとは？単なる飲み物から始まった私の5年間の変化

コーヒーライフの始まり：朝のルーティンが変えた私の価値観

5年前まで、私にとってコーヒーは単なる眠気覚ましの道具でした。システムエンジニア時代は、コンビニの缶コーヒーを片手にコードを書く毎日。しかし、あの運命のカフェで出会ったスペシャルティコーヒーが、私のコーヒーライフを180度変えることになったのです。

最初の変化は、朝のルーティンでした。以前は目覚ましが鳴ると同時にベッドから飛び起き、身支度を済ませて慌ただしく家を出ていました。しかし、ハンドドリップを始めてからは、毎朝15分早く起きて豆を挽き、お湯を沸かし、丁寧に抽出する時間を作るようになりました。

数字で見るコーヒーライフの変化

この5年間で記録してきた変化を具体的な数値で振り返ると、その影響の大きさに驚かされます：

項目	コーヒーライフ開始前	現在（5年後）
朝の準備時間	25分（慌ただしく）	40分（余裕を持って）
コーヒー関連支出	月約3,000円（缶コーヒー中心）	月約8,000円（豆・器具含む）
週末の過ごし方	家でゲーム・動画視聴	カフェ巡り・豆探し

興味深いのは、支出は増えましたが、生活の質的な満足度が大幅に向上したことです。単純に「お金をかけた分だけ良くなった」のではなく、コーヒーを通じて得られた新しい価値観や人とのつながりが、私の日常に深い充実感をもたらしています。

当時の私と同じように、忙しい毎日を送る社会人の方にとって、コーヒーライフは単なる趣味を超えたライフスタイルの変革となる可能性を秘めているのです。

コーヒーを始める前の生活習慣と価値観

システムエンジニア時代の私は、典型的な「効率重視」の生活を送っていました。朝は時間ギリギリまで寝て、コンビニでコーヒーを買って出社。昼休みも短時間で済ませ、夜は疲れて帰宅後はテレビを見ながら缶ビールで一日を終える、そんな単調な毎日の繰り返しでした。

朝のルーティンは「時短」が最優先

当時の朝の習慣を振り返ると、とにかく効率性だけを追求していたことがよく分かります。目覚ましが鳴ってから家を出るまでの時間は平均30分。シャワー、着替え、軽い朝食を機械的にこなし、駅までの道のりでコンビニに立ち寄って缶コーヒーを購入するのが日課でした。

その頃の私にとって、コーヒーは単なる「カフェインの摂取手段」に過ぎませんでした。銘柄や味の違いなど考えたこともなく、価格と手軽さだけが選択基準。一杯あたり100円程度の缶コーヒーを1日3〜4本飲んでいたので、月のコーヒー代は約1万円程度かかっていた計算になります。

価値観は「時間＝お金」の発想

システムエンジニアという職業柄、すべてを数値化して効率を測る思考が染み付いていました。「朝の準備時間を1分短縮すれば、年間で6時間の時短になる」といった具合に、日常生活のあらゆる場面で時間対効果を計算していたのです。

休日も同様で、何かを学ぶ時間や新しい体験をする余裕がありませんでした。平日の疲れを回復させることが最優先で、趣味と呼べるものも特にありませんでした。振り返ってみると、この時期の私は「生活している」というよりも「日々をこなしている」という表現の方が適切だったかもしれません。

現在のコーヒーライフと比較すると、あの頃の私には「一つのことを深く味わう」という概念が完全に欠けていたことが分かります。

システムエンジニア時代に感じた日常の物足りなさ

システムエンジニアとして働いていた当時、技術的な成長は感じられても、日常生活に深い充実感を得られずにいました。毎日のルーティンは決まっていて、朝はコンビニコーヒーを片手に出社し、昼休みは社内の自動販売機、夕方の疲れた時間帯にはまたコンビニで缶コーヒーを購入する生活でした。

仕事の充実感と日常のギャップ

プロジェクトが成功した時の達成感は確かにありましたが、それは一時的なもので、私生活における継続的な楽しみや学びが不足していることに気づき始めました。特に週末になると、平日の疲れを癒すために家でゲームをしたりテレビを見たりする受動的な時間が多く、何か創造的で能動的な趣味を求めている自分がいました。

当時の私は、仕事以外の時間で「自分らしさ」を表現できる何かを無意識に探していたのだと思います。技術者として論理的思考は得意でしたが、感覚的な体験や五感を使った活動への渇望を感じていました。

コーヒーとの再会がもたらした変化の兆し

そんな中で出会ったあのスペシャルティコーヒーは、まさに私の日常に欠けていたピースでした。一杯のコーヒーから広がる香りや味の複雑さに、エンジニアとしての探究心が刺激されたのです。豆の産地や焙煎度による違い、抽出方法による味の変化など、まるで新しいプログラミング言語を学ぶような知的好奇心が湧いてきました。

この体験をきっかけに、週末のコーヒー探求が始まり、それまでの受動的な休日から能動的なコーヒーライフへと徐々にシフトしていったのです。仕事では得られない創造性と、日常に根ざした継続的な学びを、コーヒーという分野で見つけることができました。

初めてのスペシャルティコーヒーとの出会いが変えたもの

あの日のことは今でも鮮明に覚えています。システムエンジニアとして働いていた27歳の秋、プロジェクトの納期に追われて疲れ果てていた私は、いつものコンビニコーヒーではなく、偶然立ち寄った小さなスペシャルティコーヒー店で一杯のエチオピア産シングルオリジンを注文しました。

価値観を変えた一杯の衝撃

その時飲んだコーヒーは、それまで知っていた「苦いだけの飲み物」とは全く別物でした。フルーティーな酸味と花のような香り、そして後味に残る甘みは、まさに目から鱗の体験。店主が丁寧に説明してくれた「豆の産地や農園によって味が全く違う」という話は、エンジニアとしての探究心を強く刺激しました。

その日から私のコーヒーライフは劇的に変化しました。週末には必ず豆を買いに行き、平日の朝は30分早起きしてハンドドリップを始めるように。忙しい毎日の中で、コーヒーを淹れる時間が唯一の「自分だけの時間」となったのです。

日常に生まれた新しいリズム

スペシャルティコーヒーとの出会いから3ヶ月後、私の生活習慣は以下のように変わっていました：

変化した習慣	以前	コーヒーライフ開始後
朝の時間	ギリギリまで寝る	30分早起きでドリップタイム
週末の過ごし方	家でゴロゴロ	コーヒー豆の買い出し
ストレス解消法	ゲーム・動画視聴	コーヒーの抽出に集中

単なる嗜好品だったコーヒーが、私にとって瞑想のような集中時間を提供してくれるようになったのです。豆を挽く音、お湯を注ぐ際の集中、立ち上る香りに包まれる時間は、仕事のストレスを忘れさせてくれる貴重な癒しの時間となりました。

週末のハンドドリップから始まった新しい朝の習慣

最初は週末だけの楽しみだったハンドドリップが、いつの間にか平日の朝にも欠かせない習慣へと変化していきました。IT企業で働いていた頃、朝は慌ただしくコンビニコーヒーで済ませることが多かったのですが、コーヒーライフを始めてから朝の過ごし方が劇的に変わったのです。

平日朝のルーティン変化

週末のハンドドリップに慣れてくると、平日の朝でも10分早く起きて豆を挽くようになりました。最初は面倒に感じていましたが、お湯を沸かしている間の静寂な時間が、一日の始まりに必要な心の準備時間になっていることに気づいたのです。

時期	朝のコーヒー	起床時間	心境の変化
コーヒー前	コンビニコーヒー	7:30	慌ただしい、義務感
開始3ヶ月後	週末のみハンドドリップ	平日7:30/休日8:00	週末の楽しみができた
開始1年後	平日もハンドドリップ	7:20	朝の時間に余裕と充実感

時間管理スキルの向上

毎朝のハンドドリップを習慣化するために、前夜に豆を計量したり、抽出器具をセットしたりする段取り力が自然と身につきました。この習慣は仕事の進め方にも良い影響を与え、プロジェクト管理においても「準備の重要性」を意識するようになったのです。

朝の10分間という限られた時間で美味しいコーヒーを淹れるために、お湯の温度管理や蒸らし時間の最適化など、効率的な手順を確立する過程で、日常業務でも無駄を省く思考が身につきました。