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ハンドドリップ初心者が陥る失敗パターンと劇的改善のコツ

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私がハンドドリップで大失敗した理由とその後の改善点

私がコーヒー講師になった今だから正直にお話しできるのですが、ハンドドリップを始めた最初の1ヶ月間は、本当に毎朝がっかりする日々でした。せっかく高品質な豆を購入したのに、出来上がるのは薄くて酸っぱい、まるで茶色いお湯のような代物。当時のシステムエンジニア時代の私は「道具さえ揃えば簡単にできるだろう」と高をくくっていたのです。

最初の大失敗:お湯をドバドバ注いでいた私

振り返ると、私の失敗の最大の原因はお湯の注ぎ方への無理解でした。ドリッパーに粉をセットしたら、やかんから勢いよくお湯を注いでいたんです。まるで急須にお茶を入れるかのように。結果として:

– コーヒー粉が一箇所に偏って抽出ムラが発生
– 抽出時間が30秒程度と異常に短い
– 酸味だけが強く出て、コクや甘みが全く感じられない

特に印象的だったのは、ある朝同僚に「コーヒー淹れるの上手になったでしょ?」と自信満々で振る舞ったところ、一口飲んだ彼の微妙な表情。その時初めて「これは根本的に何かが間違っている」と気づいたのです。

転機となった専門書との出会い

失敗続きの3週間目、書店でハンドドリップの専門書を手に取りました。そこで知ったのは「蒸らし」という工程の存在と、お湯を細く円を描くように注ぐ重要性でした。私はこれまで、コーヒー抽出における化学反応や物理的なメカニズムを全く理解していなかったのです。

この発見から、私のハンドドリップ人生が劇的に変わり始めました。翌朝から実践した正しい手順で淹れたコーヒーは、まさに別物。豆本来の甘みとコクが感じられる、本当に美味しい一杯が完成したのです。

失敗の1ヶ月間で分かった「薄くて不味いコーヒー」の原因

当時の私は「お湯を注げばコーヒーができる」という単純な考えで、ハンドドリップに挑戦していました。しかし、毎朝飲むコーヒーは水っぽくて酸っぱく、「豆が悪いのかな?」と思い込んでいたんです。

1ヶ月間の失敗記録から見えた共通パターン

実際に当時つけていた記録を振り返ると、失敗の原因が明確に見えてきました。以下が私の典型的な淹れ方でした:

項目 失敗時の方法 結果
お湯の温度 沸騰したてをそのまま使用 雑味が強く出る
注ぎ方 中央に一気にドバドバ注ぐ 抽出にムラができる
蒸らし 蒸らし時間なし コーヒー成分が十分に抽出されない
抽出時間 2分以内で完了 薄くて物足りない味

「美味しくない」の正体を突き止めた転機

転機となったのは、1ヶ月目の最後の週末でした。同じ豆を使って、コーヒースクールの先生にハンドドリップを実演してもらったところ、全く違う味のコーヒーが出来上がったんです。

その時に気づいたのは、私のコーヒーが薄い理由は「豆の品質」ではなく「抽出技術」にあったということでした。特に、お湯の注ぎ方一つで、同じ豆から全く異なる味わいが生まれることに衝撃を受けました。

この経験から、ハンドドリップは単なる「お湯を注ぐ作業」ではなく、温度管理から注湯のリズムまで、すべてが味に直結する繊細な技術だと理解できたのです。

ハンドドリップ初心者が陥りがちな7つの間違い

私がハンドドリップを始めた当初、毎朝飲むコーヒーが「なんだか物足りない」と感じていました。後になって分かったのですが、初心者の多くが同じような間違いを犯しているんです。ここでは、私が実際に経験した失敗と、コーヒースクールで多くの生徒さんを見てきて気づいた、よくある間違いを7つご紹介します。

1. お湯の温度が熱すぎる・冷たすぎる

最も多い間違いがこれです。私は最初、沸騰したお湯をそのまま使っていました。結果、コーヒーが苦くて雑味だらけに。適温は90-95℃で、沸騰後30秒ほど待つのがコツです。逆に冷めすぎると抽出不足で薄い味になってしまいます。

2. 豆の挽き目が適切でない

ハンドドリップには中挽き(グラニュー糖程度)が基本ですが、多くの方が細挽きにしすぎています。細すぎると過抽出で苦味が強くなり、粗すぎると薄くなります。私も最初の2週間は挽き目を理解せず、毎日違う味のコーヒーを飲んでいました。

3. 蒸らし時間が短すぎる

蒸らし(ブルーミング)を軽視する方が非常に多いです。私も当初は「面倒だから」と30秒程度で済ませていましたが、45秒しっかり蒸らすようになってから味が劇的に変わりました。この工程で豆の中のガスを抜き、均一な抽出を可能にします。

4. 注ぎ方にムラがある

お湯を一気に注いだり、フィルターの壁面に直接かけたりする間違いです。中心から「の」の字を描くように、細く均一に注ぐのが基本。私は最初の1ヶ月間、この技術が安定せず、同じ豆でも日によって全く違う味になっていました。

間違いパターン 結果 正しい方法
豆:水の比率が曖昧 濃すぎる・薄すぎる 1:15の比率を基本とする
抽出時間が長すぎる 過抽出で苦味が強い 全体で3-4分以内に収める
器具の予熱を怠る 温度低下で味が鈍い ドリッパーとサーバーを温める

これらの間違いを一つずつ修正していくことで、必ず美味しいハンドドリップコーヒーが淹れられるようになります。私自身、この7つのポイントを意識するようになってから、安定して満足できる一杯を楽しめるようになりました。

お湯の注ぎ方で味が激変することを知った転機の出来事

転機となったのは、会社の先輩に連れられて行った都内の小さなスペシャルティコーヒーショップでの出来事でした。バリスタの方が目の前でハンドドリップしてくれるカウンター席で、私は驚愕の体験をしたのです。

プロの技術を目の当たりにした瞬間

そのバリスタさんは、私がいつも家で使っているのと同じペーパーフィルターとドリッパーを使っているのに、お湯の注ぎ方が全く違いました。まず最初に少量のお湯を豆全体に優しく注いで30秒ほど待つ「蒸らし」という工程があることを初めて知りました。その後のお湯の注ぎ方も、私のように勢いよくドバドバと注ぐのではなく、中心から外側に向かって螺旋を描くように、まるで絵を描くかのような美しい動作でした。

同じ豆で味が別次元に変化

驚いたのは、そのカフェで使っていた豆が、偶然にも私が家で飲んでいたのと同じ銘柄だったことです。店主に確認すると、焙煎度合いも同じミディアムロースト。しかし、味は全く別物でした。私が家で淹れていたコーヒーは薄くて酸っぱいだけでしたが、プロが淹れたコーヒーは豊かな甘みと香りがあり、後味もスッキリしていました。

その日の帰り道、私は「技術の差でここまで変わるのか」という衝撃を受けていました。IT業界で働く私にとって、同じ材料で全く違う結果が出るという現象は、まさにプログラミングのアルゴリズムの違いのようなものでした。翌日から、ハンドドリップの正しい技術を本格的に学び始めることになったのです。

正しいハンドドリップの手順を一から学び直した過程

失敗を機に、私は一度すべてをリセットして、ハンドドリップの基本から学び直すことを決意しました。当時はプライドもあって「自己流でもなんとかなる」と思っていましたが、1ヶ月間不味いコーヒーを飲み続けた経験が、素直に学ぶ姿勢の大切さを教えてくれました。

専門書と動画で基礎理論を習得

まず手に取ったのは、コーヒー抽出の科学的な理論を解説した専門書でした。抽出率(コーヒー豆から溶け出す成分の割合)や濃度(液体中のコーヒー成分の濃さ)といった基本概念を理解することで、なぜ自分のコーヒーが薄かったのかが明確になりました。理想的な抽出率は18-22%、濃度は1.15-1.35%という数値を知り、これまでいかに適当にやっていたかを痛感しました。

同時に、プロのバリスタが実演する動画を繰り返し観察しました。特にお湯の注ぎ方に注目すると、私が勢いよく注いでいたのに対し、プロは細く安定した水流で丁寧に注いでいることに気づきました。

実践練習での段階的な改善

理論を学んだ後は、毎朝の出勤前30分を練習時間に充てました。社会人の限られた時間の中でも、一つずつポイントを意識して練習することで着実に上達していきました。

最初の1週間は「蒸らし」だけに集中し、30秒間しっかりと豆を膨らませることを徹底しました。2週目は「注ぎ方」、3週目は「抽出時間」というように、段階的にスキルを積み重ねていく方法が、忙しい社会人には非常に効果的でした。

3週間後には、同じ豆を使っても明らかに味が変わり、同僚からも「コーヒーの香りが違う」と言われるほどの変化を実感できました。

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