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コーヒーの口当たりが分からなかった私が味の違いを感じ取れるようになった実体験と練習法

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コーヒーの口当たりが分からなかった私が、味の違いを感じ取れるようになった実体験

IT企業で働いていた頃の私は、コーヒーを飲む習慣はあったものの、正直なところ「美味しい」「苦い」程度の感想しか持てませんでした。コーヒー口当たりについても、「軽やか」「まろやか」「コク深い」といった表現を聞いても、まったくピンとこない状態だったのです。

コーヒーの口当たりに無関心だった会社員時代

当時の私にとってコーヒーは、単なる眠気覚ましの道具でした。朝のコンビニコーヒーから始まり、午後の缶コーヒー、残業時のインスタントコーヒーまで、すべて同じような味に感じていました。「このコーヒーはボディが厚い」「舌触りが滑らか」といった表現を聞いても、「一体何のことを言っているのだろう」というのが正直な感想でした。

転機が訪れたのは、29歳でコーヒー専門学校に入学してからです。初回の授業で行われたカッピング(コーヒーのテイスティング)で、講師から「口の中でコーヒーがどのような感触を与えるか意識してみてください」と言われました。しかし、最初の3ヶ月間は他の生徒が「この豆は口当たりが軽やか」「舌にまとわりつくような厚み」と表現しているのを聞いても、私には同じようにしか感じられませんでした。

意識的な練習で変わった感覚の世界

変化が現れ始めたのは、毎日の練習を続けて4ヶ月目のことでした。ある日、エチオピア産とブラジル産の豆を飲み比べた際、明らかに口の中での感触が違うことに気づいたのです。エチオピア産は舌の上をすっと通り抜けるような軽やかさがあり、一方でブラジル産は舌にしっかりと存在感を残すような厚みを感じました。この瞬間、今まで抽象的だった「口当たり」という概念が、具体的な感覚として理解できるようになったのです。

口当たりの違いに気づけなかった会社員時代の失敗談

システムエンジニア時代の私は、毎日のように缶コーヒーやコンビニコーヒーを飲んでいましたが、正直なところ「コーヒーの口当たり」なんて全く意識していませんでした。忙しい開発業務の合間に飲むコーヒーは、単なるカフェイン補給の手段でしかなかったのです。

「苦い」「甘い」しか分からなかった当時の味覚

転職前の5年間で、私がコーヒーを評価する基準は驚くほど単純でした。「今日のコーヒーは苦いな」「このブレンドは飲みやすい」程度の感想しか持てず、同僚が「このコーヒーはまろやかで口当たりが良い」と言っても、正直なところ何を指しているのか全く理解できませんでした。

特に印象的だったのは、先輩が差し入れてくれた高級豆で淹れたコーヒーを飲んだ時のことです。「軽やかな口当たりで、後味がすっきりしているでしょ?」と聞かれましたが、私には「普通においしいコーヒー」としか感じられませんでした。その時の自分の鈍感さが、今思い返すと恥ずかしく感じます。

気づけなかった理由を振り返って分析

現在講師として多くの生徒さんを見ていて分かるのですが、当時の私がコーヒーの口当たりを感じ取れなかった理由は明確でした。まず、いつも急いで飲んでいたため、舌の上でコーヒーを味わう時間が圧倒的に不足していたこと。そして、比較対象となる様々なコーヒーを飲む機会がなく、味覚の基準点が育っていなかったことです。

また、ストレスの多い職場環境も影響していました。常に締切に追われ、味わうよりも「とにかく飲む」ことが優先されていた生活では、繊細な口当たりの違いを感じ取る余裕などありませんでした。

「軽やか」「まろやか」「コク深い」の正体を探る実験を開始

まず私が取り組んだのは、これらの抽象的な表現を自分なりに「数値化」することでした。毎朝の出勤前30分を使って、同じ豆を異なる条件で抽出し、口当たりの変化を記録する実験を開始したのです。

3つの口当たりパターンを意識的に作り出す

実験開始から2週間目、私は意図的に「軽やか」「まろやか」「コク深い」の3パターンを作り出せるようになりました。使用したのは中煎りのブラジル豆で、以下の条件で抽出しました:

口当たりの特徴 お湯の温度 抽出時間 豆の挽き具合 体感できる違い
軽やか 85℃ 2分30秒 中挽き 舌先でスッと消える感覚
まろやか 90℃ 3分 中挽き 舌全体を包み込む優しさ
コク深い 93℃ 4分 中細挽き 舌の奥まで重厚感が残る

舌の部位で感じる違いを意識する

この実験で最も重要な発見は、コーヒー口当たりを舌の部位別に意識することでした。軽やかなコーヒーは舌先で感じる刺激が少なく、サラッと流れていきます。一方、コク深いコーヒーは舌の中央から奥にかけて、まるで薄い膜が張ったような感覚が30秒以上続くのです。

毎朝この3パターンを飲み比べることで、1ヶ月後には目を閉じていても口当たりの違いを言い当てられるようになりました。忙しい朝でも5分あれば実践できるこの方法は、働きながらコーヒーの感覚を磨きたい方には特におすすめです。

同じ豆で抽出条件を変えて口当たりの変化を検証した結果

実際に同じエチオピア産の豆を使って、抽出条件を変えながらコーヒー口当たりの変化を検証してみました。この実験を通じて、抽出パラメータがいかに口当たりに大きな影響を与えるかを実感できました。

お湯の温度による口当たりの変化

まず温度による違いを検証しました。同じ豆を使い、85℃、90℃、95℃の3つの温度で抽出した結果は以下の通りです:

温度 口当たりの特徴 ボディの厚さ
85℃ 軽やかでさらっとした舌触り 薄め
90℃ バランスの取れたまろやかさ 中程度
95℃ 重厚でコク深い、やや粘性を感じる 厚め

特に印象的だったのは、95℃で抽出したコーヒーの舌に残る重量感でした。まるで口の中にベルベットのような質感が広がり、飲み込んだ後も余韻が長く続きました。

挽き目による舌触りの違い

次に挽き目を変えて検証しました。細挽きでは濃厚でとろみのある口当たりになり、舌の上でゆっくりと転がるような感覚がありました。一方、粗挽きでは水のようにさらりとした軽やかさが際立ち、同じ豆とは思えないほどの違いを体感できました。

この実験により、抽出条件の微調整だけで、軽やかさからコク深さまで自在にコントロールできることを確信しました。忙しい平日の朝には軽やかな口当たり、休日のリラックスタイムには重厚な口当たりと、シーンに応じて使い分けられるようになったのは大きな収穫でした。

舌の位置と意識を変えてコーヒー口当たりを感じる練習法

実は、コーヒー口当たりを正確に感じ取るためには、舌の使い方を意識的に変える必要があります。私自身、最初の2年間は「なんとなく美味しい」程度の感覚でしたが、舌の位置と動かし方を練習することで、明確にボディの違いを感じられるようになりました。

舌先から舌根まで段階的に感じる練習

コーヒーを口に含んだら、まず舌先でテクスチャーを確認し、その後ゆっくりと舌全体に広げていきます。私が毎朝実践している方法は、3段階のステップで口当たりを分析することです。

段階 舌の位置 感じられる要素 練習のコツ
第1段階 舌先 粘度・温度感 5秒間舌先で転がす
第2段階 舌の中央部 厚み・重量感 舌を上あごに押し付ける
第3段階 舌根・のど 余韻・コク ゆっくりと飲み込む

口内での液体の動かし方とタイミング

特に効果的だったのは、口内でコーヒーを左右に動かしながら味わう方法です。最初は不自然に感じましたが、1週間続けると舌の側面でも口当たりの違いを感じられるようになりました。

朝のコーヒータイムに、同じ豆で抽出時間を30秒ずつ変えた2杯を用意し、この舌の練習法で比較してみてください。抽出時間が長いほど舌にまとわりつく感覚が強くなることが、明確に実感できるはずです。忙しい平日でも、この練習なら通勤前の5分間で十分実践できます。

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